介護職の離職率は?仕事は大変?悩みの解決方法まで解説

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後期高齢者社会と言われる現在、介護職の需要は非常に伸びています。

介護職には、資格が無くても働くことができる職種もあることから、関心をもっている方は多くいます。

しかし、介護職は仕事が大変というイメージをもたれやすく、実際に働いてみたらどうなのか気になっている人も多いのではないでしょうか。

ここでは、介護の仕事内容や、介護職の方が抱えやすい悩みについてご紹介します。

 

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◇目次

介護職の離職率はどのくらい?

介護職は大変?抱えやすい悩みと解決方法

介護職の資格の種類と仕事内容

介護職に向いている人・求められることは?

介護職を辞める前に、考えておくべきこと

まとめ

 


 

介護職の離職率はどのくらい?

介護の仕事は資格や学歴に関係なく働くことができますし、少子高齢化の日本では需要の高い仕事です。

そのため、介護職に興味をお持ちの方も多くいるでしょう。

しかし、介護職は離職率が高く長期的に働くことが難しいというイメージを持っている人も少なくないようです。

実際に介護職の離職率は、どのくらいなのでしょうか。

 

令和3年度の介護職員の離職率は、介護労働実態調査結果結果(※)によると、14.3%となっています。

平成19年には離職率が21.6%まで増えていますが、そこをピークとしてから年々低下傾向にあります。

令和3年度は近年でもっとも低い離職率となっていることから、依然低下傾向が続いているようです。

※令和3年度「介護労働実態調査」

http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/2022r01_chousa_kekka_gaiyou_0822.pdf

 

これは国や地方自治体が、介護職の人数を確保するための政策を行ったことや、業界内で積極的な取り組みが行われたことによるものと考えられます。

そういった政策や取り組みによって、勤続意欲の向上につながり離職率が抑えられてきたといえるでしょう。

 

また、訪問介護員、サービス提供責任者、介護職員それぞれの事業所の状況別離職率についても、同じく介護労働実態調査結果から見ていきましょう。

 

介護を必要とする高齢者の家庭を訪問し日常生活の援助を行うのが、訪問事業所で働く訪問介護職員です。

訪問介護員の離職率は無期雇用職員が13.9%。有期雇用職員が12.9%となっており、無期雇用職員の離職率の方が高い傾向にあります。

 

介護事業所においてスムーズにサービスが提供されるよう、ケアマネージャーが考案したケアプランに基づき「訪問介護計画書」を作成するのがサービス提供責任者です。

サービス提供責任者の離職率は、無期雇用職員が10%、有期雇用職員で10.8%となっています。

 

サービス提供責任者は、雇用状況によって離職率にほぼ差がありません。これは、サービス提供責任者が介護業界において豊富な経験をもっている人が多いことから離職率が低いと考えられます。

 

介護の現場において、利用者さんの身体的な援助や生活の支援など幅広く業務を担っているのが介護職員です。介護職員の離職率は無期雇用職員が13.6%、有期雇用職が17.3%となっています。これは訪問介護員、サービス提供責任者に比べて高い離職率となっており、離職率の高い職種となっているといえるでしょう。

 

また、事業所状況別の離職率をみると、地方自治体は7%、民間企業は15.7%となっています。この結果から、地方自治体の事業所に比べ民間企業の方が、離職率が高く地方自治体の事業所の方が働きやすい環境が整備されているといえるでしょう。

 

 

介護職は大変?抱えやすい悩みと解決方法

介護職が大変な仕事だと思われがちなのは、どういったことに原因があるのでしょうか。

介護職が抱えやすい悩みと解決方法をご紹介します。

介護福祉士イメージ

人間関係(職員同士、利用者との内容)

介護職の抱える悩みで多いのが、人間関係についてです。

どのような職場でも人間関係の悩みは起こりがちですが、とくにさまざまな専門職が集まる介護施設は、それぞれの意見や価値観の違いから摩擦が起こりやすいのです。

また、同じ専門職の中でも考え方や、やり方の違いで対立が起こることもあります。

違う職種間での人間関係の問題を解消するためには、相手の意見を否定せずにお互いの専門性を理解する意思を示すことが大切です。

また、同じ職種間での人間関係は、コミュニケーション不足から起こることが多いです。

共通性の高い会話をしてみることや、第三者を交えてみることも良いでしょう。

職員同士だけでなく、利用者様との人間関係で悩むことも少なくありません。

身体的な介助をスムーズに行うためには、利用者様との信頼関係が大切になります。

しかし、日々の業務が忙しい介護職は利用者様とのコミュニケーションをとる時間が十分に作れず、信頼関係の構築が難しい現状があります。

利用者様との人間関係を解消するためには、短時間でコミュニケーションを図りやすいよう趣味や好みを把握しておくとよいでしょう。

また、身体的な不自由さや、疾患に対する不安から怒りや焦りをもち暴言を吐かれることもあるでしょう。

個人的に傷つけようとしているわけではないことを理解し、気持ちを切り替えるための方法を見つけておくことが大切です。

 

体力関連(仕事内容、夜勤)

介護職の悩みで多いものの一つに、体力的な問題があります。護職は力仕事が多くあるため、腰痛など身体的な支障をきたすことも。また、24時間体制の介護施設では夜勤があります。

そのため体力的な不安を感じ、悩んでいる人も少なくありません。

夜勤_メリット・デメリット解説

腰痛などの身体的な支障をきたした場合は、まず負担が少ない介護技術を身に付ける必要があります。

日頃から、腰痛体操やストレッチなどの腰痛対策も行っておきましょう。

また負担が大きな業務を行う場合は、複数の職員で対応したり、体力のある職員にお願いしたり、一人で無理をしないことが大事です。

夜勤などで体力に不安がある場合は、不規則な生活時間でも体調管理ができる方法を見つけましょう。

夜勤中は仮眠を効果的に取ることで、体内時計を安定させることができます。

自分に合った仮眠時間を見つけることも大切です。

また、どうしても無理だと感じたときは上司に相談をしてみましょう。

無理をして働くことで、思わぬミスや事故につながることもありますし、体調を崩し病気を引き起こす原因にもなりかねません。

 

職場環境について(労働関係)

職場環境のことで悩みを持つ人もいます。残業が多いことや、給与が安いなどの労働条件に対して悩んでいる方も多いのです。

また、体力を使う仕事が多いのに冷暖房が充実していなかったり、ゆっくりと休める休憩所がなく設備面で不満を感じていたり、労働環境で悩んでいることもあります。

職場環境の悩みを解消するためには、上司や経営者へ相談する必要があります。

人手不足で労働環境が悪い場合はスタッフを増やしてもらうなどの対応ができる場合もありますが、満足のいく給与に改定してもらうというのはすぐに改善できることではないかもしれません。

なかなか改善できそうではない場合は、転職をすることも解決方法の一つになるでしょう。

希望に沿った条件の職場に転職するために介護福祉士の資格を取得するなど、キャリアアップをしておくことも大事です。

 

以下の現場社員の声を見る

介護職に向いている人ってどんな人?現場職員の声もご紹介!

 

 

 

介護職の資格の種類と仕事内容

介護職は、介護施設や介護事業所などで働く職員の方々を指します。

介護施設や介護事業所には、さまざまな職種の方が働いています。

そのため、介護職といっても仕事内容もさまざまです。ここでは、介護職の資格の種類と仕事の内容について説明します。

 

介護職の資格の種類

介護職資格の中で最も中心的存在なのが、「介護福祉士」です。

介護福祉士は介護業界の中で唯一の国家資格です。

 

また、介護職として働くために最も取得しやすい資格が「介護職員初任者研修」です。

民間資格で、現在は廃止されているホームヘルパー2級資格に相当します。

 

介護初任者研修よりもさらに知識や技能を身に付けた資格が、「実務者研修」です。

現在は廃止されているホームヘルパー1級の資格に相当し、医療的なケアに関する知識や技能を習得することができます。

また、介護福祉士資格を取得するには、実務者研修の取得が原則必須となっています。

 

直接的に利用者様の身体的な援助は行いませんが、ケアプランの作成や相談業務を行う「ケアマネージャー」もいます。

そのほか、訪問介護事業所で働く「サービス提供責任者」も介護業務を行う場合があります。

 

一般的な介護の仕事内容(食事、入浴、排泄)

介護施設などで働く介護職にはさまざまな仕事がありますが、一般的な介護の仕事内容をご紹介します。

介護業務のなかでもっとも多い仕事が、「三大介助」と呼ばれている食事介助・入浴介助・排泄介助です。

 

身体が不自由な利用者様は、一人で食事をすることが困難な場合もあります。

そのような利用者様に食事を口まで運ぶことや、誤嚥がないよう飲み込みの確認を行います。

また、利用者様の体調や疾患に合わせて、食事形態や食事内容を検討し提供することも大事な仕事です。

 

一人で入浴することが困難な利用者様が、清潔を保持できるよう支援するのが入浴介助です。

身体的なレベルに合わせて、脱衣、洗髪、洗身、入浴、着衣のサポートなどを行います。

また、入浴ができない利用者様にはベッド上での清拭や洗髪を行います。

 

排泄の介助では、利用者様の身体レベルに合わせた介助を行います。

トイレを利用できる場合は、トイレへの誘導や着脱、拭き取りを行います。

また寝たきりの場合はベッド上でおむつ交換を行います。

 

他にも利用者様が充実した日常を行うことができるようレクレーションを行ったり、利用者様の状況を把握できるようカルテ記載を行ったりと、様々な仕事があります。

 

参考記事1:『ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事内容は?1日の流れや向いている人をご紹介』

参考記事2:社会福祉士の仕事内容は?一日の流れや向いている人をご紹介

 

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介護職に向いている人・求められることは?

介護職は利用者さんとの関わりが中心になりますから、患者さんと信頼関係が築けることが大切です。また、介護の仕事は、介護職同士の連携や多職種との連携も重要になってきます。コミュニケーション能力が高い人や、人と接することが好きな人が向いているでしょう。

 

介護の仕事は、入浴の介助やおむつ交換など、利用者さんの身体的な介助が業務の中心となります。また入所施設では、夜勤業務もあるため不規則な勤務時間になりがちです。そのため、体力に自信のある人が向いています。とくに夜勤のできる人が少ないことから、夜勤勤務が可能な人が求められています。

 

介護職は人手不足が深刻で、即戦力となる人が求められています。介護職は業務内容が多岐に渡るため、多様なスキルが求められます。介護職は未経験であっても、前職で培ったスキルを生かして柔軟に対応できる人は重宝されるでしょう。

 

少子高齢化の進む日本では、今後も介護を必要とする人が増えると予想されています。しかし力仕事が多く、夜勤業務もあるなど体力面でのハードさがありますし、給与が低いなど待遇面でも離職する人が後を絶ちません。介護職は未経験・無資格でも採用可能な職場が多くあり、人材育成に注力している施設も多くあります。

 

せっかく育成しても早々に退職されてしまうことは避けたいと考えますから、長期的に働くことができる人が求められます。経験を積み資格を取得することで待遇も良くなりますから、長期的な目標をもち意欲的に働ける人が向いているでしょう。

 

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介護職を辞める前に、考えておくべきこと

勢いで介護職を辞めてしまい、後悔する人は少なくありません。

辞める前に、介護職を辞めて全く別の道に進むのか、職場を変えても介護職を続ける選択肢は可能なのか考えておきましょう。

介護職は実務経験を積むことでキャリアアップが可能です。

もしそういった道も考えているのであれば、現在抱えている問題を改善する方法を考え、現在の職場で実務経験を積むことも選択肢に入れるとよいでしょう。

 

職場環境が原因であるか見極める

離職を考えたとき、その原因は職場環境にあるのかを見極めましょう。最も多い理由に人間関係があります。

介護職はスタッフだけでなく、利用者さんやその家族など多くの人と関わりますから、人間関係で悩む人は少なくありません。

 

職場の派閥や、上司と馬が合わない場合など、チームワークが必要な介護職ではストレスになり離職の原因となります。

また、給料や待遇に対する不満で離職を考える人もいるでしょう。

人を対象としている仕事ですから、イレギュラーな事態から残業が発生しやすく、拘束時間が長いことに不満を感じ離職を考える人も多いようです。

 

 

 

 

介護のやりがいについて

介護の仕事は、体力的にきついことも多く大変な仕事ではありますが、実際に働いている人たちは大きなやりがいを感じていることから、充実した働き方ができている方も多くいます。

介護職のメリットや、やりがいを感じる際のポイントについてご紹介します。

 

介護職のメリット

女性のワークスタイルに合わせた働き方ができる

女性は、結婚や出産、両親の介護などによって働き方を変えなくてはならないことがあります。介

護職はアルバイトやパート、正社員と働き方を選びやすいのがメリットです。短時間勤務や日勤のみ、夜勤のみとライフスタイルに合わせて働くこともできます。

 

そのため、女性が活躍しやすいメリットがある職種として人気があります。

介護施設は増える傾向にありますので、自宅の近くで職場を見つけることができるのもライフスタイルに合わせやすいポイントです。

 

*無資格で初めてもキャリアアップができる

介護職は資格がなくても、未経験でも働くことが可能な職種です。

現在は介護施設が増える一方、介護職の人手不足もあり、未経験者の求人も多くあります。

しかし、無資格の場合は仕事内容が限られてしまうため、キャリアアップを目指すなら資格の取得が必要となります。

 

幅広く業務を行えるよう、キャリアアップに向けてバックアップしてくれる職場も多くあります。

介護職員初任者研修介護職員実務者研修介護福祉士と資格を取得することでキャリアアップが可能です。

さらにケアマネージャーへとキャリアアップを目指す人もいます。

キャリアアップによって給与もアップしますし、より労働環境の良い職場への転職もしやすくなるためメリットは大きいでしょう。

 

やりがいを感じる際のポイント

介護職でやりがいを感じるのは、やはり利用者様から感謝を伝えられた時でしょう。

利用者様は、必ずしも言葉で感謝を伝えられるわけではありません。

うまく言葉を話せない場合でも、表情や態度で感謝を伝えてくれることもあります。

なんといっても利用者様の笑顔は、とても嬉しくやりがいにつながります。

 

たとえ言葉で伝えられなくても、利用者様の感謝の気持ちは表情や態度から読み取ることができるため、よく相手のことを観察してみるのがおススメです。

 

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記事まとめ

ここでは介護職が大変と感じること、また悩みと解決方法について詳しくご紹介しました。

きつい仕事が多い介護職ですが、メリットも多くやりがいのある仕事です。

資格が無くても、未経験でも活躍することが可能なため、キャリアアップを目指したい人におすすめです。

転職や就職で介護職を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

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