『ホームヘルパー(訪問介護員)の仕事内容は?1日の流れや向いている人をご紹介』
介護サービス利用者が増えている今、ホームヘルパー(訪問介護職員)のニーズは高まる一方です。「ホームヘルパーって資格は必要?」「未経験だけど、私にもできるかしら?」そんな疑問にお答えするために、今回はホームヘルパーの仕事内容や必要な資格などについてご紹介します。
【目次】
ホームヘルパーの基礎知識!
ホームヘルパーの正式名称は、訪問介護員。高齢者や身体に障がいがある方が、自立した生活を送れるようサポートする介護サービスのスペシャリスト。介護を必要とする方のご自宅を訪問し、食事や排泄、入浴といった『身体介護』や、洗濯、買い物、掃除といった『生活支援』を行います。自分の自由な時間を利用して仕事ができるため、派遣やパート、アルバイトなど7割近くが非正規社員として勤務しており、9割が女性。年齢層も40歳以上の方の比率が高いのも特徴です。
ホームヘルパーと介護福祉士の違いは?
高齢や身体の障がいにより、介助を必要とする人をサポートするという点では共通しているホームヘルパーと介護福祉士ですが、携われる業務の内容に違いがあります。介護福祉士の場合、「身体介護」や「生活援助」に加え、現場では責任ある立場として、介護技術の指導にも携わります。さらに、活躍の場も幅広く、各種介護施設や医療機関の他にも介護福祉士養成校で指導者として活躍するケースもあります。一方、ホームヘルパーは、主に訪問介護事業所(ヘルパーステーションなど)に所属し、利用者様のご自宅や高齢者専用住居、介護サービス付きの施設などで介助業務に携わります。ホームヘルパーの業務内容には、現場で携われないものがあります。具体的に分野ごとにどんな内容か、ご紹介しましょう。
◼️ホームヘルパーができないこと
<掃除の分野>・・・大掃除やワックスがけ、模様替え、庭の手入れ、本人の居室以外の掃除
<洗濯の分野>・・・特別な配慮が必要な衣服の洗濯、家庭用洗濯機以外での洗濯
<調理の分野>・・・おせちや年越しそばなどの特別な食事の調理、利用者以外の家族の調理
<買い物の分野>・・・趣味、嗜好品や贈答品の買い出し
<外出介助分野>・・・法事やお墓参り、行事の参加、趣味のための外出、自立支援のため以外の散歩
訪問入浴との違いは?
訪問介護に類似しているものに「訪問入浴」があります。入浴介助を必要とする利用者様の自宅を訪問し、介助するという業務内容は同じですが、「訪問入浴」は居宅での入浴に特化したサービス。自力での入浴が困難な利用者様宅に、簡易浴槽を積載した専用車両で訪問し、入浴の介助を行うというものです。
ホームヘルパーの1日
ホームヘルパーの仕事内容は、勤務先や担当する利用者様の状態・状況によっても異なります。ここでは、身体介助をメインに行なっているホームヘルパーの1日をご紹介しましょう。
8:30 事務所に出勤。居宅訪問のための準備を行う。
8:50 利用者様宅へ移動。
9:00 利用者様に挨拶し、その日のサービス内容を利用者様やご家族に説明。
9:15 仕事開始。まずは排泄介助。オムツ交換やトイレの誘導、下半身の清拭や洗浄を行う。
10:00 着替え介助。着替えが終わったら、洗顔や歯磨き、髪のお手入れなど、身だしなみを整える援助を行う。
12:00 食事介助。誤嚥などに注意しながら、楽しく食事ができるよう援助する。
13:30 食事が終わったら、片付けと服用している薬を確認し、投薬介助を行う。
16:30 入浴介助。全身の清拭や洗髪などの介助を行う。
17:00 業務終了。利用者様やご家族に挨拶をし、事務所へ戻る。
17:30 事務所で介護記録を作成し、業務終了。
ホームヘルパーのやりがいは?
ホームヘルパーは、利用者様一人ひとりに寄り添った介護が実践できるのが一番の魅力です。また、現場での業務は通常一人で担当するため、スタッフ同士の人間関係で悩まされることもありません。直接利用者様やそのご家族から感謝の言葉をいただけるため、大きなやりがいを感じられるのも、ホームヘルパーの仕事の魅力と言えるでしょう。
ホームヘルパーに資格は必要?
ホームヘルパーとして働く場合、必須となる資格はありません。しかし、何の資格も持たない場合、利用者さんの身体に触れることができないなど、掃除や洗濯のみ等、出来る業務が限られてしまいます。また、求人を探す際には「介護資格必須」となっている訪問介護事業所が多くなっています。そのため、資格を取得することで業務の幅が増え、有利に働くことができるでしょう。
介護で有利に働くことができる資格として、『介護職員初任者研修』があります。受験資格は設けられていない資格のため、年齢や経験に関係なく誰でも受験することが可能です。通常は3~4か月、最短で1か月半で取得が可能なので、ホームヘルパーとして活躍したい場合は予め取得しておくとよいでしょう。
また、将来的に国家資格である介護福祉士を目指したい場合には、『介護職員実務者研修』を取得しなくてはなりません。介護福祉士になるためには、実務経験も必要になるため、早めに資格を取得しておくと有利です。
ホームヘルパーに向いている人の特徴
ここからは、ホームヘルパーに向いている人の特徴について解説していきます。
コミュニケーション能力がある人
ホームヘルパーは人と関わる仕事です。サービスを提供するにあたり、利用者さんやその家族と信頼関係を築くことが求められます。話し上手なだけでなく、利用者さんやそのご家族が抱える悩みを聞くことも必要です。また、会話の中から、必要な情報を得なくてはなりません。そのため、コミュニケーション能力のある人がホームヘルパーに向いているといえるでしょう。
観察力に優れている人
ホームヘルパーの仕事は、ただ決まったことをやるだけの仕事ではありません。利用者さんがどのようなケアやサービスを提供してほしいのか、利用者さんの様子から察しなくてはならないこともあります。
また、高齢者の方は、体調に異変があっても症状として現れにくく、自覚症状がないままに悪化することがあります。そういったことに素早く気づけるような、観察力に優れている人がホームヘルパーに向いているといえるでしょう。
臨機応変に動ける人
ホームヘルパーはある程度決められた業務内容がありますが、利用者さんの状況に応じて必要な対応を求められることもあります。場合によっては、利用者さんが急変することもあり、迅速な対応をしなければ生命に関わることもあるでしょう。イレギュラーな事態が起こったときに、慌てず冷静に臨機応変に動ける人がホームヘルパーには向いています。
責任感の強い人
ホームヘルパーの仕事は、楽なことばかりではありません。自分の行動や言動に、責任をもって仕事をすることが求められます。ときには利用者さんから罵声を浴びせられたり、暴力を振るわれたりすることもあります。そういった際に仕事を投げ出さず、感情的にならず真摯に対応できる責任感の強い人がホームヘルパーに向いているでしょう。
体力に自信がある人
ホームヘルパーの仕事は体力を必要とする仕事です。介護を必要とする利用者さんは、年齢的なものや疾患によって身体が不自由で、自立した生活が送れない方が多くいます。そのためホームヘルパーは、更衣の手伝いや移動の介助、入浴の介助や排せつの介助なども行います。一人で対応することも多いため、体力に自信のある人が向いているでしょう。
気になる給与事情をチェック!
厚生労働省が発表した「賃金構造基本統計調査」によると、2017年度のホームヘルパーの平均月収は251,000円、平均年収は3,012,000円でした。この数字はあくまでの平均給与の目安で、資格の有無や経験・勤務先によって異なります。
ホームヘルパーになるにはどうすればいいの?
携わる業務の内容によっては、資格や経験が問われないものの、やはりホームヘルパーとしてやりがいのある仕事に携わるためには、‘介護の入門資格’と言われている『介護職員初任者研修』を修了しておいた方がいいでしょう。『介護職員初任者研修』は、旧ホームヘルパー2級に相当する資格で、厚生労働省が定める130時間のカリキュラムを履修し、筆記試験に合格すれば取得できます。受験資格は設けられておらず、年齢や学歴に関係なく取得が目指せます。また、最短で1ヶ月半、通常では3~4ヶ月で取得が可能。『介護職員初任者研修』を修了すると、さらにレベルアップした『介護職員実務者研修』を取得することができ、さらに国家資格の『介護福祉士』取得への足がかりとなります。
資格や経験がなくてもホームヘルパーとして仕事を始めることができますが、身体介護ができないなど、業務内容が制限されてしまいます。介護の世界でステップアップしていくためにも、また、自信を持って仕事に携わるためにも、『介護職員初任者研修』の受講をおすすめします。ホームヘルパーの知識や技術は日常生活でも役立つものもたくさんあります。この機会にホームヘルパーの仕事に挑戦してみませんか?
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