『精神保健衛生士の年収・給与は?給与を上げる方法もご紹介』
精神保健衛生士(PSW=Psychiatric Social Worker)は、うつ病や統合失調症、認知症など、精神障がいを持つ人たちの社会復帰をサポートしたり、その人らしく日々を過ごすための生活支援などを行うスペシャリストです。ストレス社会と言われる現代では、大人ばかりではなく子どもたちもストレスを抱えており、医療や介護・福祉の現場に加えて、企業や学校など、メンタルケアを必要とする場は広がりを見せています。精神保健衛生士になるためには、民間資格ではなく国家資格が必要だということもあり、社会的にも信頼度の高い専門家です。「興味があるから目指してみたいけど、お給料が気になる・・・」と思っている方のために今回は様々な場面でニーズが高まっている精神保健衛生士の給与事情を調べて見ました。
【目次】
■精神保健衛生士の給与、HOW MUCH!
■介護福祉士vs社会福祉士vs精神保健福祉士、給与比較!
■精神保健福祉士には、給与アップする方法はあるの?
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精神保健衛生士の給与、HOW MUCH!
精神保健衛生士のお給料は国家公務員レベルと言われています。具体的な数字で表すと、平均年収は350~400万円。平均年収から算出した平均月収はおよそ24~32万円です。2019年の日本の平均年収432万円と比較するとやや低く、年収ランキングでも全体の中では2250位レベル。意外と低い・・・と言う印象を持った方も少なくないのでは?でもご安心ください。基本給こそ高くないものの、国家公務員の給料同様、手当やボーナスが充実しているのは注目すべき特徴と言えるでしょう。(※上記の数字は全て『平均年収.JP』より)
精神保健衛生士は、正社員として仕事に就くケースの他に、非常勤として仕事に携わるケースも少なくありません。非常勤の場合のお給料は時給制となり、800~900円が相場と言われています。ただし、医療機関や福祉施設の他、教育機関や一般企業、民間団体など幅広い分野で活躍しているため、勤務場所や勤務地などによっても給与は異なります。ちなみに一番給与が高いと言われているのが、保健福祉センターや保健所といった行政機関。年収は420~430万円で、正社員として勤務する場合はボーナスも支給され、その金額は70~75万円と他の職種に比べても高くなってます。(※『Brush up 年収・給与の相場』より)。
行政機関の次に給料が高いのが、医療分野。精神保健福祉士として勤務するケースの多い精神科病院では、平均年収は430万円(ただし、小規模な心療内科の場合は、およそ380万円程度にとどまります)。公立の病院の場合は、公務員の給与と同じ基準となり、地域の診療所では380万円程度となっています。
民間企業や学校、福祉施設の平均年収は、390万円(ただし、大企業や私立の学校職員を除く)となっています。
また年齢によっても給与は異なります。(※<年代別年収・給与比較>参照)
<年代別年収・給与比較>
年代 | 年収 | 給与 |
25~29歳 | 325,4~375,4 | 23,5 |
30~34歳 | 330,4~430,4 | 26,9 |
35~39歳 | 341,4~445,4 | 27,8 |
40~44歳 | 379,5~500,5 | 31,3 |
45~49歳 | 438,6~560,6 | 35,0 |
50~54歳 | 490,6~600,6 | 37,5 |
55~59歳 | 485,6~595,6 | 37,2 |
60~65歳 | 305,4~595,6 | 25,3 |
※単位:万円(『平均年収.JP』より)
介護福祉士vs社会福祉士vs精神保健福祉士、給与比較!
精神保健福祉士と共に、介護・福祉系の中で唯一の国家資格を必要とされる職業が二つあります。それが介護福祉士、社会福祉士。いずれも精神保健福祉士同様、介護や福祉分野でなくてはならない存在と言われていますが、果たして給与面では差があるのでしょうか。
介護福祉士の平均年収は、正社員の場合330万円、平均給与は19~27万円で、初任給は18万円程度です。パート・アルバイトの給与事情を見てみると、平均時給は987円。派遣の場合は、1,379円です。これはあくまでも未経験の場合の数字で、経験者の場合は年収が400万円を超えることもあります。(※『国税庁『民間給与実態調査』より)
一方、社会福祉士の年収は400~550万円、給料は25~35万円が一般的な相場と言われています。3つの資格の中でも最難関の資格と言われているだけに、資格を持っていると、給料の他に1~3万円の資格手当がつくケースも多く、さらに精神保健福祉士よりもケアの対象が幅広いため、給料はやや高めになっています。
精神保健福祉士には、給与アップする方法はあるの?
社会的にも需要の高い職業だけに、もちろん給与アップする道は用意されています。キャリアアップする方法、社会福祉士の資格を取得する方法、公務員をめざす方法、そして転職する方法の4つ。それぞれ具体的にどんな方法なのか、簡単にご説明しましょう。
◼️キャリアアップする方法
他の職業同様、経験を積んでキャリアアップすることで給与アップをめざす方法です。管理職などの役職に就けば、役職手当がもらえるため、給与アップが可能です。
◼️『社会福祉士』の資格を取る方法
社会福祉士は精神保健衛生士よりもさらにレベルアップした資格なので、取得することで資格手当が付きます。社会福祉士は、精神保健衛生士よりも幅広い対象をケアすることになるため、仕事の幅も広がり、給与アップもめざせます。
◼️公務員をめざす方法
民間企業で精神保健福祉士として仕事をしている場合は、行政機関などの公的機関に転職し、公務員として仕事に携わるのも給与アップへの道になります。公務員の場合、年数を重ねることで確実に昇級できるため、給与アップがめざせます。
◼️条件のいいところに転職する方法
社会的にニーズの高い職業だけに、精神保健福祉士としての実績や経験を強みに、より条件や待遇のいいところに転職するのは、給与アップへの一番の近道と言えるでしょう。
一般企業では職場でのストレスケアや離職を防ぐために、教育の現場ではいじめや不登校といった問題解決のために力を尽くしている精神保健衛生士。高齢社会の中では、定年退職や配偶者との死別により発症した「老人性うつ」のケアを行うなど、精神保健衛生士は様々な場面で活躍しています。「心の問題」を抱える人が増えた現代社会では、安心して社会生活や日常生活を送るために必要不可欠な存在。今後もそのニーズは高まっていくことでしょう。
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