介護福祉士のデイサービスとは?主な業務内容と給与相場を解説
介護施設にはさまざまなタイプがあります。
入所施設やデイサービス、グループホームなどがあり、業務内容も異なってきます。
介護の仕事がしたいと考えたとき、自分にはどのような職場が向いているのかと悩むこともあるでしょう。
ここでは、デイサービスとはどのようなものか、またデイサービスにおける介護福祉士の業務内容や1日の流れなどをご紹介します。
介護福祉士の資格取得を目指している方や、介護福祉士資格を持っているけれども働きやすい職場が見つからずお困りの方は、ぜひご一読ください。
デイサービスとは?
デイサービスは通所介護とも言われる日帰りの介護サービスです。
利用者さんは、日中だけ介護施設において介護サービスを受けることができます。
老人ホームやショートステイのように宿泊することはできません。
基本的には、日中の時間をデイサービスにおいて過ごし、入浴や食事、排せつ、レクリエーションなどのサービスを受けることができます。
最近は認知症緩和に対応したものや、料理に特化したものなど施設の仕様もさまざまです。
デイサービスでは、管理者、生活指導員、看護職員、介護職員、機能訓練指導員が在籍することになっています。
なお、デイサービスの利用は、介護保険の等級が「要介護1~5」の認定を受けている人に限るため、要支援の人は利用することができません。
デイサービスでは、生活機能や心身機能を維持向上させるために機能訓練を行ったり、日常生活のサポートを行ったりしながら、利用者さんが社会的に孤立しないよう支援しています。
また、利用者家族も身体的、精神的な負担が大きいですから、そういった負担の軽減を図ることも目的とされています。
デイサービスでは自宅へ送迎してもらうことも可能です。
デイサービスで受けることができるサービスには、主に入浴や排せつ、食事への介護のほか、機能訓練なども行うことができます。
デイサービスは利用者さんに楽しんでもらうことを大切にしているため、リズム体操や生け花、書道や陶芸などさまざまなプログラムを受けることが可能です。
そういったサービスを受けながら、介護士や他の利用者さんと触れ合うことで、高齢者の孤立を防ぐことも目的としています。
また、利用者さんがデイサービスに通っている間は、在宅で介護をしている人もリフレッシュする時間を作ることが可能です。
少子高齢化によって介護負担に苦しむ家族も増えています。
そういった家族の負担を軽減し、介護を長続きさせることもデイサービスの目的となっています。
介護福祉士のデイサービスにおける1日の流れ
介護福祉士のデイサービスにおける1日の流れをご紹介します。
施設によって、各時間や詳細は異なる部分がありますが、基本的な流れです。
8:20~ 出勤・朝礼(1日の流れや特別業務、申し送り事項の確認)
8:30~ 利用者さんを自宅へお迎えに行く
9:00~ 施設に到着。
看護師とともに利用者さんの健康チェック(血圧測定、体温測定など行い入浴の可否も確認)、連絡帳や持ち物の確認を行う
10:00~ レクレーションやリハビリテーション
11:00~ 入浴介助(利用者さんの身体レベルに合わせて、個浴や特浴を行う)
12:00~ 食事の配膳。
誤嚥がないよう注意しながら介助を行う。
13:00~ 利用者さんお昼寝の見守り 交代で休憩時間
14:00~ 介護士たちで協力しながら、体操やレクレーションを行う
15:00~ おやつ提供。
利用者さんたちと会話を楽しみながら誤嚥などの見守りも行う
16:00~ 利用者さんの家族へ一日の様子や体の状態を記録し、送迎準備
16:30~ ご自宅へ送迎
17:00 帰社・スタッフミーティング、後片付け、翌日の準備
介護福祉士のデイサービスにおける主な業務内容
ここでは、介護福祉士のデイサービスにおける主な業務内容についてご紹介します。
入浴介助
ご自宅では入浴が困難な利用者さんの洗髪や、洗身の入浴を介助します。
また、入浴時の衣服の着脱も介助します。
入浴方法は身体レベルに合わせて行わなくてはなりません。
独歩が可能な利用者さんは個浴、寝たきりの利用者さんは特浴にて入浴介助を行います。
入浴時は全身の状態観察が必要です。
寝たきりの利用者さんは褥瘡(じょくそう)、いわゆる床ずれができてしまうこともありますし、高齢で皮膚が弱くなっていることから表皮剥離を起こしていることもあります。
そういった異常を発見した場合は速やかに看護師に報告します。
家族への記録に記入も必要です。
排せつ介助
独歩や車いすの利用者さんのトイレ誘導を行います。
利用者さんの身体レベルに合わせて、見守りから衣類の上げ下げや車いすからの移乗などを介助しなくてはなりません。
トイレに行けない利用者さんは、ベッド上でのおむつ交換を行います。
排せつしたことを訴えられない利用者さんもいますから、定期的におむつ交換を行わなくてはなりません。
デイサービスを利用する方の中には、羞恥心が強い方もいます。
そういった場合はおむつ交換や失禁の際の対応に注意が必要です。
食事介助
嚥下機能が低下している利用者さんもいるため、食事の際は注意が必要です。
介護福祉士が嚥下状態を確認しつつ、看護師と相談し見合った食事形態に変更しなくてはなりません。
食事中も誤嚥によって肺炎を起こすリスクがありますから、介護福祉士が介助したり、見守りしたり安全に食事ができるように支援します。
とくに水分は誤嚥しやすくなりますから、必要に応じて丁度よいとろみをつけて提供します。
また、服薬の介助も必要です。
服薬では誤薬がないよう看護師と二重確認を行い、絶対に間違えないよう注意しなくてはなりません。
食後は口腔ケアを介助します。
口腔ケアも利用者さんの状態に合わせて、見守りから全介助まであります。
嚥下機能が低下している利用者さんには、食前に口腔マッサージを行い嚥下がスムーズに行われるようケアすることもあるでしょう。
レクリエーション
デイサービスを利用する目的として、身体的、精神的な機能の維持や向上があります。
介護福祉士は、体を使ったレクリエーションや、体を動かせない方でも楽しんでもらえるようなレクリエーションを提供しなくてはなりません。
施設内にてボールなどを使って全身運動ができるような遊びから、手先を使って書道や絵画などを行うこともあります。
また、季節ごとの行事などに合わせてのレクレーションを企画することもあるでしょう。
デイサービスと他のポジションにおける給与や待遇の差とは?
デイサービスにおける介護福祉士の給与は、他の施設の介護福祉士と比べるとどのような違いがあるでしょうか。
厚生労働省の「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果 」に基づいて解説します。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02kekka.pdf
令和2年の施設別介護士の平均給与は以下の通りです。
デイサービス 280,600円
通所リハビリテーション事業所 305,660円
訪問介護事業所 306,760円
介護療養型医療施設 306,420円
介護老人保健施設 338,920円
介護老人福祉施設 350,430円
特定施設入居者生活介護事業所 322,020円
小規模多機能型居宅介護事業所 287,980円
認知症対応型共同生活介護事業所 287,770円
上記のように、デイサービスや訪問介護事業所、グループホームは、入居型の施設に比べて給与額は低めです。
入居型の施設では、介護度の高い利用者さんが多く、介護福祉士の業務内容も幅広いことから、介護福祉士の給与額も高めとなっているようです。
また、入居型の施設は夜勤があります。
夜勤手当が支給されると高給与となりやすいことから、夜勤のないデイサービスでは給与が低めになりがちです。
資格別に給与の違いをみると以下のようになります。
介護職員初任者研修 301,210円
介護福祉士実務者研修 303,230円
介護福祉士 329,250円
社会福祉士 353,020円
介護支援専門員(ケアマネージャー) 368,030円
介護士には介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修という資格もあります。
これらの資格に比べると、国家資格である介護福祉士の方が高給与です。
社会福祉士やケアマネージャーは、国家資格である介護福祉士よりもさらに専門的な知識をもつ職種になるため、さらに給与は高くなります。
給与が他の施設に比べて低めのデイサービスですが、国家資格をもつ介護福祉士は給与が高めです。
さらに給与アップを目指す場合は、ケアマネージャー資格を取得するとよいでしょう。
まとめ
ここでは、デイサービスにおける介護福祉士の1日の流れや業務内容についてご紹介してきました。
デイサービスは入居タイプの施設に比べると、業務内容は比較的楽に感じることが多いでしょう。
夜勤がありませんし、日中だけのサービスですから、利用者さんと関わる時間も短く、介助の負担も少なめです。
また、デイサービスを利用する利用者さんは在宅で介護を受けている方や、一人暮らしの高齢者です。
そのため入居している利用者さんに比べると、比較的自分で動ける人が多く介助する負担も少ないでしょう。
給与は少なめでも、利用者さんと楽しく過ごすことができ、身体的な負担も少ない職場を選びたい方にはおすすめです。
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