男性看護師の働き方とは?割合や将来性を解説

男性看護師の働き方とは?割合や将来性を解説 イメージ

看護師という職種は女性が多いイメージでしたが、最近は医療現場で男性看護師が活躍する姿を目にすることが増えてきました。

男性看護師は、実際どの程度働いているのでしょうか。男性看護師が働きやすい診療科についても解説します。

また、男性が看護師として働くメリットや、女性の多い職場でどのようにうまく働いていくかなどもご紹介します。

看護師として働いてみたい男性は、ぜひ参考にしてみてください。

 


 

◇目次

男性看護師はどのくらいいるのか?

男性看護士の平均年収はどのくらい?

男性看護師の職場

男性看護師のメリット

男性看護師の悩み

男性看護師がうまく働くコツとは?

男性看護師の将来性とキャリアプラン

まとめ


 

 

男性看護師はどのくらいいるのか?

看護師は、女性の職種というイメージが強くありますが、看護師として働いている男性はどのくらいいるのでしょうか。

厚生労働省による「平成30年衛生行政報告例(就業慰労関係者)の概況」から比較してみましょう。

平成30年度の全体の看護師は1,218,606人です。そのうち女性の看護師は、1,123,451人と大半を占めているなか、男性の看護師は95,155人となっています。

このように全体の92.2%が女性看護師となっており、男性看護師は全体のわずか7.8%です。

しかし年ごとの推移を確認すると、男性看護師は年々増加していることがわかります。

平成20年の男性看護師は全体の5.3%でした。

人数にすると、この10年間で約5万人の男性看護師が増えています。

今後も男性看護師の需要が増えていく可能性が高いでしょう。

男性看護師が増加する背景のひとつには、高齢化社会への懸念があります。

精神科や高齢者看護では体力が必要となるため、男性看護師は重宝されるのです。

最近では高齢化により、あらゆる診療科で高齢者が増えています。そのため、男性看護師の需要が高まっているようです。

また、都心部を中心に性別関係なく優秀な人材をバランスよく配置する病院が増えていることも影響しています。

2002年に看護婦という名称から「看護師」と変更する法改正もあり、さらに男性看護師増加が後押しされるきっかけになりました。

 

男性看護士の平均年収はどのくらい?

次に、男性看護士の給与についてみていきましょう!

 

男性看護士年齢別給与

年齢 月収 年間賞与その他特別給与額
~19歳
20~24歳 月収約29万円 約45万円
25~29歳 月収約32万円 約78万円
30~34歳 月収約34万円 約84万円
35~39歳 月収約35万円 約95万円
40~44歳 月収約35万円 約94万円
45~49歳 月収約39万円 約94万円
50~54歳 月収約38万円 約116万円
55~59歳 月収約37万円 約114万円
60~64歳 月収約31万円 約54万円
65~69歳 月収約20万円 約22万円
70歳~ 月収約15万円 約23万円

参照:e-stat「2019年賃金構造基本統計調査 」

 

女性看護士年齢別給与

年齢 月収 年間賞与その他特別給与額
~19歳
20~24歳 月収約28万円 約46万円
25~29歳 月収約32万円 約74万円
30~34歳 月収約33万円 約78万円
35~39歳 月収約32万円 約83万円
40~44歳 月収約34万円 約90万円
45~49歳 月収約35万円 約99万円
50~54歳 月収約36万円 約99万円
55~59歳 月収約36万円 約95万円
60~64歳 月収約31万円 約71万円
65~69歳 月収約28万円 約47万円
70歳~ 月収約28万円 約51万円

参照:e-stat「2019年賃金構造基本統計調査 」

 

男女ともに大きな給与格差は無い

上表を見ると分るように、男子看護士の収入は女性看護師と比較してもそこまで大きな違いはありません。

また、25~29歳の年齢における男性看護士の平均年収は462万円で、これは日本の平均年収433万円を上回っているため、他職種と比較して安定した収入を得ることが出来る職種といえます。

01-01-08-02

参照:厚生労働省「平均給与の推移」

 

勿論、給与は病院や施設の規模だけでなく働く地域の給与相場にも大きく影響する為、上記の表はあくまで参考数字となります。

もし転職活動に悩むことがあれば、まずは転職活動のプロに相談すると良いかもしれません。

 

参考記事:看護師の平均年収や給料は高いのか?他の職種との比較を徹底解説

 

 

 

男性看護師の職場

現在は、幅広い診療科で男性看護師が活躍する姿がみられます。

しかし以前は、患者さんからの抵抗が大きく体力が必要とされる精神科や、高齢者が多く力仕事が必要な病棟などを中心に活躍していました。

男性患者さんが多く受診する診療科は、特に男性看護師の需要が高い傾向にあります。

また最近は男性向けの形成外科や、薄毛治療外来などが増えています。

そういった診療科やクリニックでは、女性看護師よりも男性看護師の需要が高まっているようです。

女性看護師が大部分を占めている医療現場ですが、力仕事が多い診療科や病棟では体力のある男性看護師が必要とされています。

また、患者さんにとって男性看護師の方が安心される診療科でも高い需要があります。

 

 

男性看護師のメリット

女性の仕事と思われがちな看護師の仕事ですが、男性看護師が医療現場で活躍することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。

 

①力仕事の時に頼りになる

医療現場や介護施設など、看護師が働く職場では力仕事が多くあります。

寝たきりの患者さんや、身体機能が不自由な患者さん、治療によって安静が必要な患者さんなどが多くいるからです。

そういった患者さんの検査や治療、身体的な介助や移動の際はかなりの力仕事になります。

女性は小柄ですから、自分より大きな男性患者さんを持ち上げるのは大変で、人数も多く必要です。

体力や腕力のない女性にとって負担が大きく、腰痛の原因にもなります。

また加齢とともに、仕事を続ける自信がなくなる原因にもなるでしょう。

そういった時に体力・腕力のある男性看護師がいると、仕事がスムーズです。

男性看護師は、とても頼りになることでしょう。

 

②職場の雰囲気が和やかになる

看護師の職場は女性が多いことから、人間関係のトラブルがよくあります。

女性は感情的になりやすいこともありますし、女の世界ならではのピリピリした感じがつらいと感じる人も少なくありません。

そういった職場に男性看護師がいると、空気が和やかになります。

男性看護師がいることで、ムードメーカーとして職場の雰囲気が良くなることもあるようです。

人間関係でトラブルが起こりやすい女性の職場と言われる看護職ですが、男性看護師の存在が働きやすい環境を作ってくれます。

 

③男性患者さんの看護がしやすい

男性患者さんにとって、女性看護師には話しにくいこともあるでしょう。

とくに思春期の患者さんは、若い女性看護師の看護を受けることに抵抗を感じることもあります。

そういったときに男性看護師がいると、治療や看護がスムーズに行えます。

男性同士だからこそ相談できることもありますから、悩みを抱えやすい思春期男子を男性看護師が対応することで、治療も仕事もスムーズになるでしょう。

また、女性患者さんの中にも、同性の看護師に対してきつい態度を取る人がいます。

女性同士は感情的になりやすく、看護がスムーズに行われないこともあります。

そういったとき男性看護師が対応することで、トラブルを回避できることもあるでしょう。

 

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男性看護師の悩み

年々男性看護師は増えていますが、いまだ女性の職場というイメージが強くあります。そういった中で、悩みを抱えている男性看護師は少なくありません。ここでは、男性看護師が抱える悩みについてご紹介します。

 

①女性患者との関わりが難しい

男性看護師にとって、女性患者さんとの関わりは簡単ではありません。女性患者さんのなかには男性とコミュニケーションを取ることに抵抗がある人もいます。

コミュニケーションがうまく取れないことから、信頼関係を築きづらく看護する際も支障をきたしかねません。

とくに病棟ではプライベートな部分がさらけ出されるため、あからさまに拒否されることもあります。女性患者さんとの関わりの難しさから、看護師として自信喪失につながることもあるようです。

 

②オールマイティーな働き方ができない

さまざまな診療科において男性看護師が活躍していますが、立ち入ることのできない診療科や、採用されない職場があります。

女性看護師や、男性が資格を取得することのできない助産師が活躍する産婦人科は、男性看護師は採用されにくい診療科の一つです。

また女性の入浴介助や、体に触れるようなケアでは、男性看護師は患者さんから嫌煙されがちです。

医療現場では女性の方が活躍のフィールドが広く、男性看護師はオールマイティーに働くことができず悩みの一つとなっています。

 

③相談相手がいない

仕事の悩みは身近な同僚に聞いてもらうのが一番理解してもらえますし、解決策も見出しやすいでしょう。

しかし男性看護師は年々増えているものの、まだ全体の9%ほどですから、同じ職場内では女性看護師がほとんどです。

男性看護師としての悩みなどを打ち明けづらく、一人で抱え込んでしまいがちです。

上司も女性看護師が多いですし、身近に相談相手がいないことで悩む男性看護師は少なくありません。

 

 

男性看護師がうまく働くコツとは?

男性看護師が増えてきたとはいえ、全体で見ればまだまだ少数の現状です。

そのため、女性がほとんどの職場で、男性看護師がうまく働くにはコツが必要になります。

まずは、「男性だから」「女性だから」という性別の違いを意識しすぎないようにしましょう。

また、女性の職場で馴染むためには清潔感が大事です。

とくに医療現場ですから、清潔感がない人は看護師だけでなく、患者さんからも好ましく思われないでしょう。

制服の清潔感はもちろん、髪型や爪、ヒゲなどを綺麗に整えましょう。

とくに男性は体臭や口臭にも気をつけると、周りに不快感を与えず接することができます。

出勤前や休憩時間には、身だしなみを確認する癖をつけるとよいでしょう。

過剰に華美な外見も好まれません。看護師は清潔感が大事ですが、過剰なお洒落は悪目立ちします。

謙虚さが伝わるような外見を心がけることが重要です。

 

女性の体調に対して配慮できる優しさをもつことも、男性看護師としてうまく働くコツになります。

女性の多い職場ですから、生理や更年期、妊娠などで体調を崩しやすかったり、周りの配慮が必要だったりすることが多いでしょう。

そういった時に、男だから理解できないといった姿勢でいると、うまく職場に馴染めません。女性の身体的な特徴を理解し、配慮できるようにしておきましょう。

看護師はチームワークが大事です。しっかりと信頼関係を築くことによって、女性が多い職場でもスムーズなコミュニケーションを取り、働きやすい職場環境を作ることができるでしょう。

 

 

男性看護師の将来性とキャリアプラン

看護師といえば女性のイメージが強い職種でしたが、最近は男性看護師も年々増えてきました。

少子高齢化により看護師の仕事は力仕事も多くなり、力のある男性看護師の需要は高くなっています。

さらに男性看護師は、医療機関に限らずキャリアプランを広げることも可能です。

 

キャリアアップするためには、看護師としての専門性を高める資格を取得することもおすすめです。

「認定看護師」や「専門看護師資格」は、看護師として経験やスキルを積んだ後にさらなるステップアップを図ることができる資格となります。

 

認定看護師資格は特定の看護分野において知識と熟練した技術をもっており、高い水準の看護実践ができる看護師が対象です。

認定看護師になるためには、日本看護協会が主催する審査に合格する必要があります。

 

専門看護師資格は、解決が困難な看護問題をもつ患者さんに対して高水準の看護ケアを提供することができます。

がんの治療や精神科医療、介護の分野で専門知識やスキルの習得が可能です。

専門看護師によって看護学の向上を図ることを目的としています。

 

また、男性看護師が活躍する診療科へ転職することもキャリアプランとしておすすめです。

男性看護師は体力があることから、強い抵抗がある患者さんの多い精神科での需要が高くなっています。

手術室のような長時間立ち仕事で体力を必要とする場合や、時間が不規則で肉体的にも精神的にもハードさのある救急科も、

男性看護師が重宝され活躍できる診療科です。

 

 

記事まとめ

男性看護師が女性の多い職場で働くメリットや、男性看護師が活躍する職場についてご紹介してきました。

女性中心の看護師の職場で、男性看護師は非常に人数が少なく、うまくやっていけるか不安を感じている方もいるかもしれません。

しかし、男性看護師は体力があり大変重宝される存在です。

ぜひうまく働くコツを参考にしてみてください。

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