介護福祉士の平均給与や年収はどのくらい?昇給事情や雇用形態別の給与まで徹底解説
求人件数が多いことで人気の介護職。未経験でも仕事に就くことができますが、資格を持っていると責任ある仕事を任されたり、やりがいの大きな仕事に携わることができます。
福祉・介護の世界には様々な資格がありますが、唯一国家資格となっているものがあるのをご存知でしたか?
それが今回取り上げる『介護福祉士』です。
取得するためには、介護福祉士養成の学校に通うか、現場での経験を積み受験資格にもなっている『介護実務者研修』を受講しなければならないなど、取得への道は簡単ではありませんが、毎年受験者数は増加。
平成31年度は前年に比べ約2,000人も増えています(厚生労働省調べ)。
資格を持っていると違うのは仕事内容だけではありません。
もちろん、給与や年収も違ってきます。そこで今回は、取得を目指す人が増えている『介護福祉士』の給与や平均年収について調べてみました。
【目次】
介護福祉士の給与&年収をチェック!
厚生労働省の「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職員のうち、介護福祉士資格を持っている人と持っていない人とでは、平均給与に5万円ほど差があるという結果が出ています。
介護福祉士の給与状況をさらに詳しくみてみると、介護福祉士の平均年収は、正社員の場合で約303万円(「求人ボックス.com」より)。
これは、日本の平均年収432万円(「国税庁の民間給与実態調査」より)と比較すると、ちょっと低いかなと感じる人もいるのでは?
ちなみに、平均月給は約25万円。パート・アルバイトの場合は、平均時給額は987円、派遣社員の平均時給額は1,397円となっています(「求人ボックス.com」調べ)。
もちろん金額は、経験や勤務する施設、地域によっても異なります。
介護福祉士の給与をイメージしやすいよう、ここでは20代から60代までの男女別の平均給与をご紹介しましょう。
<年代・男女別の平均給与・年収>(「平均年収.jp」より)
〇男性
年代 月額給与 年収
20~24歳 20万円 320,4万円
25~29歳 20,6万円 329,2万円
30~34歳 23,6万円 277,5~377,5万円
35~39歳 24,4万円 286,6~390,6万円
40~44歳 27,4万円 317,9~438,9万円
45~49歳 30,7万円 369,6~491,6万円
50~54歳 32,9万円 416,7~526,7万円
55~59歳 32,6万円 412,3~522,3万円
60~65歳 22,2万円 255,5~522,3万円
〇女性
年代 月額給与 年収
20~24歳 14,2万円 197,4~227,4万円
25~29歳 15,5万円 233,3~248,4万円
30~34歳 17,8万円 211,2~284,8万円
35~39歳 18,4万円 251,1~294,7万円
40~44歳 20,7万円 278~331,2万円
45~49歳 23,2万円 324,9~370,9万円
50~54歳 24,8万円 368,8~397,4万円
55~59歳 24,6万円 364,8~394,1万円
60~65歳 16,8万円 223,2~394,1万円
介護福祉士の雇用形態別で給与に差はあるの?
介護福祉士としてフルタイムで働きたい人も、パートやアルバイトで働きたい人もいるでしょう。介護福祉士は、雇用形態によって給与にどの程度差があるのでしょうか。
「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護福祉士資格をもつ月給・常勤の介護職員の平均月収は328,720円です。
一方、時給・非常勤の介護職員の場合、平均時給は約1,476円でした(平均給与額÷実労働時間で算出)。20日×8時間として月収に換算すると、236,160円となります。月給・常勤と比べると、低い賃金となっているようです。
このように、雇用形態によって賃金に違いがありますが、地域や年齢によっても差があるため注意が必要です。
介護福祉士の昇給事情とは?
超高齢化社会を迎えた今、介護や福祉の現場では常に人手不足という問題を抱えています。
こうした現状を受け、国は介護・福祉分野における離職ゼロを目指し、介護職員の待遇改善を進める事業所に対して、『介護職員処遇改善加算』という、加算制度を制定しました。
この制度は、介護職員が働きやすい職場を作るための環境整備、賃金改善を目的としており、介護サービス事業者が申請を行うことで、国から報酬を受け取れるというものです。
そのため、「介護職員処遇改善加算」の申請を行っている事業所は行っていない事業所に比べ、給与は高く設定されています。
加算金額はその種類によって異なりますが、月額12,000円~37,000円。
「介護職員処遇改善加算」を申請しているかどうかは、求人票にも明記されています。
申請をしているところは、手当の欄に『処遇改善加算手当』と記されていますから、事前にしっかりチェックしましょう。
介護福祉士で昇給する方法!
介護職員を取り巻く環境や待遇は少しづつ改善されていますが、他にも給与アップの道はないの?
と思っている方もいらっしゃるはず。もちろん、あります!具体的にどんな方法があるか、ここでご紹介しましょう。
キャリアアップした資格を取って給与アップ!
『介護福祉士』の資格を持っていると、未経験でも条件のいい施設や事業所に就職することは可能ですが、さらにステップアップした資格、『ケアマネジャー』や『社会福祉士』の資格を取得すると、資格手当がさらにプラスされ、給与もアップ!
ちなみに、介護職員の平均給与額でもっとも高いのはケアマネジャー、次いで社会福祉士となってます(厚生労働省「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果」より)。
また、レベルアップした資格を取得することで、施設長や管理者などの役職に就くこともできるため、給与アップだけでなく、やりがいのある仕事、責任ある仕事を任されることで、仕事への意欲もアップします。
積極的な夜勤勤務は、収入アップの近道!
日勤に比べ、夜勤の場合は1回3,000円~8,000円の手当が付きます。
1ヶ月、介護職員1人が夜勤を担当する平均回数は4~5回ですから、もっと多く夜勤を担当すればおのずと収入もアップします。
「夜勤は辛い・・」と思う方がいる反面、少ない勤務回数で高収入を得られるとあり、あえて夜勤を希望する“夜勤専従”という働き方を選ぶ人が増えているのを、ご存知でしたか?
より良い条件の職場に転職する!
介護施設には様々な種類がありますが、その中で一番給与が高いとされているのは特別養護老人ホームです。
次で、介護老人保健施設、訪問介護、そしてデイサービスの順になっています。
そのため、現場での経験を活かし、より条件のいい施設に転職するのも給与アップの方法の1つ。
ただし、就職してすぐに辞めてしまった場合、経験値はあまり高く評価されませんから、ある程度の年数が経ってからの転職がオススメです。
「仕事がハードな割にお給料が安い・・・」介護職にそんなイメージを持っている方も少なくないでしょう。
でも介護業界は今や成長産業と言われるほど日本では勢いがあり、今後は介護職員や介護施設に対する処遇改善が積極的に行われていくと予想されています。
何より、誰かに必要とされる、人の役に立てる、やりがいの大きな仕事です。
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